黒い自画像
黒い自画像
こんなもんじゃないはず!
阿刀田氏の、いわゆるブラックユーモアのジャンルに入る短編集はほとんど読み尽くしたけれど、ここ何年かの作品についてはパワーダウンが否めない。
この作品についても、なんだかぼんやりした話が多く、氏の持ち味だと思われる、洗練された恐怖やノスタルジー、上品なエロティシズムなどが、いかんなく発揮されているとは言いがたいのだ。
これは作品が変わったのか、読者である自分が変わったのかよくわからないけれど、かつてはワクワクしながら読み耽った作家だけに一抹の淋しさを覚える。
もし阿刀田氏の短編をあまり読んだことがない人なら、どうか氏の作品をこんなもんだと思わないでほしい。
ぜひとも初期の頃の短編集を読んでみてほしいと思う。
不思議な感覚☆
どこまでが現実でどこからが幻想なのか?不思議な感覚のストーリーです。過去の出来事が突然日常で垣間見せる時っていうのは中年以降になると多くなってくる気がします。それは映画での一言だったり絵であったり、香りであったり・・・。良い思い出よりも少し心に引っかかっていることが多い。この短編もあることがキッカケで底に落ちていくような、少しゾクっとするような感覚が味わえて面白いです。
怖いものみたさっていうのかな?次から次へと読み進めたくなります。
電車の中で読んでると降りる駅を通り越してしまうかも?ご用心。