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香水―ある人殺しの物語

香水―ある人殺しの物語

文化の違いを感じますねえ・・・
彼に与えられた三度に渡る存在の否定。一度目は生れ落ちた直後に母親から。ニ度目は自分に体臭がないということに起因する自己による存在の否定、そして三度目の支配したはず他者からの絶対的な存在の否定、純粋さと恐るべき孤独。もはや彼に残された道は、ラストに至る道しかないと考えたのはごく自然です。

ジュースキントのこの小説、あらゆるところに悪意に満ちたウィットが散りばめられています。パリに戻ってのラストシーンも強烈。映画ではぼかされた「彼が一筋もあまさず地上から消え失せていた」という事が「意味」していたもののおぞましさと後味の悪い「笑い」!

しかし「匂い」というものに、これほどまでに拘ること、更には体臭と個の存在をこれ程まで強烈に結びつける文化は日本にはないように思えます。

二度と読みません
グロテスクな描写がさほどあるわけでもないが、気分が悪くなる本。そして匂いという難しいテーマを全編に渡って文章でうまく表現してしまった作品。
主人公が嗅覚に優れている、という設定プラス、何事も匂いを持って認識し、匂いという感覚でのみ生き長らえている、つまり性欲や食欲などの基本的な欲望がそれに比べて大幅に欠けているというまぁ突飛な話。はっきり言って奇想天外で偏っているので、話の展開もまぁ読めてくるが、最後まで引っ張っていく作者の筆力がなかなか。
ラスト、そのままの偏りで突っ走っていってしまう終わり方にはさすがにちょっとついていけないが、この話はもう突っ走ってしまう話なのだから仕方がないといえば仕方ないのかも。まぁ読み物としては完璧だと思う。ラストだってある意味期待を裏切らない終わり方だし。
ただ、私には主人公の設定があまりにも極端に感じてしまって、匂いだけで全てを掌握できるというのにもどこか違和感があった。ここで主人公に生身の人間ぽさが少しでもあれば、もう少し強烈に胸に響いたんだろうなと思う。突飛な話すぎて、読みおわった後、特に何を感じる事もなかった。
とりあえず、読んでいて気分が悪くなったので、二度と読む事はないだろう。(それがこの本の狙いなのか??)

日本人には無い感性でしょうか。
もう20年近く前に読んだ本でしたが、今映画化されて放映されています。数キロ先の匂いを嗅ぎ分けるという匂いに敏感な才能の持ち主の、それ故に自己の可能性と創造性に苦悩する。
 一気に読ませ、外国文学ならではの感性とストーリーの展開が面白い小説だと思います。

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