香りの世界をさぐる |中村 祥二
香りの世界をさぐる
中村 祥二
朝日新聞社 刊
発売日 1989-05
香りが、生物の言語学であることを痛烈に感じる。目で読まずに嗅いでほしい。
加齢臭(中高年層の体臭)の研究で脚光を浴びている化粧品メーカーで、研究開発に 従事されている著者の40年間にわたる、調香、香りの生理学研究生活の裏話や、香り の歴史などわかりやすく深く魅力的にかかれています。
香りの植物どうし香りでコミュニケーションしている話から、体臭の役割や臭紋(香
りの指紋)、クレオパトラの香り術、日本に香道が始まる経緯など、とっておきの香 りにまつわる興味深い話が、美文で綴られています。
香りに関する多くの書籍の中で、香りに携わるものにとってのよき入門書となってい ることでしょう。香りの得体の知れない存在感に少し手がかりが見える1冊です。
朝日選書らしい丁寧な本作りが満足度をさらに高めているのも魅力です。相当に版を重ねている人気本です。